――まず前回のおさらいをお願いします。
前回は、本来の探偵依頼の適正価格は20~30万円なのにもかかわらず、実際の依頼相場は50~80万円になっているというところまでお話ししましたね。
――なぜ探偵費用は高額なんですか?
まず探偵のスタッフの給料が高額かというと、そんなことは決してなくて、大手でも探偵スタッフの給料は他の業界の方の水準とほぼ同じか、少し下回るくらいです。
だいたい5年以上働いて月収30万円とか、高くても40万円とか、その程度です。しかも実力主義の世界なので、30代、40代になっても給料が20代の頃のままだったり、待遇としてはそういうことがよくあります。
じゃあ何に費用をかけているのかというと、広告宣伝費に多大な費用をかけている所が多いんです。
例えば、私が以前いた大手の探偵社の場合だと、毎月の売上が5,000万円に対して探偵や事務員などの人件費で1,800万円。そして、広告費が2,100万円もかかっていました。それに事務所の家賃などの諸経費が400万円ぐらいです。
――広告費をすごくかけるんですね。
そうなんです。
売上5,000万円に対して広告費が2,100万円なので42%ですよね。一般的な業界の広告宣伝費というのは、売上に対して5~10%です。なので、この42%というのは異常に高い割合だといえます。
つまり、本来は20~30万円が適正価格なのに、探偵社の相場が50~80万円になっている理由は、ちょうど広告費が上乗せされた分高額になっていると説明することができます。
――多くの探偵社が広告費をそこまで高額にする理由は何ですか?
業界の特徴として、口コミや正当な評価など、実際にその探偵事務所をご利用されたお客さんの評判が、他の新規のお客さんに対して出回りづらいんです。
なぜかというと、考えてみれば分かると思うんですが、「この探偵を使いました」ということ自体、他の人には隠したいじゃないですか。「あそこの探偵は良かった」と思ったとしても、それを人に対して紹介したりはしづらいですし。
――なるほど。
逆に「あそこの探偵は全然調査力がなくて失敗ばかりだった」と思ったとしても、それで警察沙汰にしたり裁判沙汰にしたりするかといったら、依頼者側も家族などにバレたくないので、大ごとにはしたくないという心理があります。
なので、普通の業界だと商品の質の良さでリピートだったり、他のお客さんが買ってくれるということで、商品の質の良さを追求していけば売上がついてくるんですが、この探偵業界というのは今のところなかなかそうはいかないので、商品である調査の質が高かったとしても売上にはつながりにくいんですね。
なので、広告費を大量にかけてアピールしていかないと、一定以上の集客ができないということが事実としてあります。
広告費を大量にかけないといけないということは、裏を返せば実際の調査の質がおろそかになる危険があるんです。実際の調査の質ではなくて、広告費をどれだけ多くかけられるかが重視されてしまうというのが実情です。
――料金が高くても調査力が高いとは限らないんですか?
はい、そのとおりです。なぜかというと、高い広告費がお客様の調査費用として上乗せされているだけというのが実情ですので。
料金が高いというのは、目立つためにそれだけ広告費をかけているということであって、調査力が優れているかどうかということとは全く別の問題と考えてもらっていいと思います。
言い換えると、料金が高い探偵社にも調査力が高い会社と低い会社がありますし、料金が低い探偵社にも調査力が高い会社と低い会社があります。
――では、調査力の高い探偵事務所を見抜くにはどうすればいいんでしょうか?
それについては次回お話ししようと思います。
――分かりました。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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